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2016年1月27日水曜日

シェンゲン協定崩壊の危機?欧州でのパスポート・コントロール強化の行方

 ヨーロッパを旅行すると、国境を越えるたびにパスポートを提示し、出国・入国の審査を受ける必要がないことに驚きます。旅行者にとっては、時間と手間の節約になる大変有り難い制度ですが、これが今、危機を迎えていることをご存知でしょうか?


<ヨーロッパ各国を国境検査無しで自由に移動できる制度 ~シェンゲン協定~ >

 そもそもヨーロッパ各国をパスポートの提示無しに移動できるのは、多くの国が署名する「シェンゲン協定」が、国の間での国境検査を撤廃すると定めているからです。

 現在、EU加盟国では英国、アイルランドを除くほとんどの国が既に加盟又は加盟予定となっています。また、非EU加盟国でも、ノルウェー、アイスランド、スイスが加盟しています。
 地図と見比べてみるとシェンゲン協定締約国の分布が一目瞭然で、旅行者にとって実に便利なことが良くおわかりだと思います。


<フランスでのテロが状況を変えた>

 このシェンゲン協定は、旅行者にも便利でしたが、同時にテロリストに便利な制度でもあったことがフランス同時多発テロで明らかになりました。
 同事件では、犯人は難民としてギリシャから入国したとみられており、難民に紛れてテロリストが入国する危険が現実のものとなったのです。
 大量に流入する移民・難民だけでも厄介な問題を抱えており、大晦日にケルンなどの諸都市で移民が婦女暴行を含む事件を起こしたのは記憶に新しいところです。それに加えて、テロの危険まで高まるとなると、各国も慎重にならざるを得ません。

 シェンゲン協定は例外的な状況において最長2年間に限り国境での入国審査の再導入を認めると定めていることから、既にオーストリア、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、フランス、ノルウェーが、6か月の期限付きで入国審査を再導入しています。
 また、EU各国は、最長2年の延長がありうるということで認識が共有されているとの報道がなされています。


<シェンゲン協定は復活するのか?それとも、永遠に停止してしまうのか?>

 いま、この瞬間も多くの移民・難民が欧州に押し寄せています。
 移民・難民をどう管理していくのかを早急に決め、実施して行くことが、入国審査の撤廃という姿に戻す前提になるでしょう。

 しかし、それは決して容易なことではありません。 
 EUの関係者や各国の閣僚からは、シェンゲン協定に対する批判的な発言もみられます。

  • オーストリア内務相シェンゲン協定からギリシャを排除すべき
  • ドイツ財務相シェンゲン協定は破綻に近い。EUは移民・難民対策を増額せよ

  •  デンマークでは、難民対策として、難民から1万クローネ(約17万円)相当以上の貴重品を没収する権限を警察に与える法案を可決するなど、難民対策は各国でも進んでいくことと思われます。
     EU大統領は「難民対策を打ち出すには3月がタイムリミット」とも発言しており、これから1か月ほどの間に打ち出される対策が、シェンゲン協定という制度を維持するかを決めることになるのです。

     旅行者にとっても影響が大きく、関心が高まるこの話題。引き続き、EUの動向には注意していく必要がありそうです。


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    2016年1月13日水曜日

    大晦日のヘルシンキ、チューリッヒでも難民による女性への集団暴行事件が発生していた!昨夏のストックホルムでも。

     12月31日の夜、ケルンで難民と思われる集団が窃盗や女性への暴行などを働いたとの報道については以前、ご紹介しました。

    大晦日のケルンで多くの女性が暴行を受ける事件が発生。ヨーロッパでの年越しは危ないのか?』(1月8日のブログ)

     ドイツをはじめヨーロッパでは、かなり大きな問題となっており、新たな事実が明らかになってきました。
     何と同日、フィンランド、スイスでも同様の事案が起きていたこと分かったのです。


    <フィンランド>

     大晦日のヘルシンキ中央駅では、イラクからの難民申請者1000人が集団暴行を起こしています。事前にこれら集団による女性への性的嫌がらせ計画の情報が寄せられていたとのことです。


    <スイス>

     大晦日のチューリヒで、複数の女性から性的暴行の被害届が出されており、アラブ系の外見の若い男の集団が犯行に関わっているとのことです。


    <昨年の夏のスウェーデンでも>

     これだけ見れば、大晦日から新年にかけてのどさくさに紛れた犯行が起きただけのようにも見えますが、実はストックホルムでは昨年8月、野外音楽祭で女性に集団暴行事件が起きていたことが明らかになりました。これは内部メモから明らかになったものです。
     ここでも犯人は移民とみられる若い男たちで、多数の女性が性的暴行を受けています。


    <これらの事件をどう見るべきか?>

     今回の一連の報道で分かったことは、

    • 移民・難民による犯罪(特に、女性への性的暴行)は、ドイツだけなく、移民・難民を多く受け入れているどの都市でも起こりうる
    • 大晦日だけでなく、人が多く集まる場所やイベントではいつでも起こりうる(野外音楽イベントなど。大晦日だけ気を付けていてもダメ)

    ということです。

     そして、各国ともに移民・難民政策への影響を避けたいという思惑から、迅速な情報が提供されない状況にあったということです。去年8月の事件がようやく公表されるスウェーデンなど、隠蔽そのものです。

     ただ、今回、多くの事案が出てきたことをきっかけに、他にも隠蔽や意図的に放置されてきた事案がないか追求する動きは、各国で確実に起こるでしょう。そして、それを受けて必要な警備の強化はある程度、なされることと思います。この点については、欧州旅行をお考えの方は、引き続き、報道をこまめにチェックすることである程度、その国の危険性を判断できるようになると思います。


    <自分の身は、自分で守るしかない>

     とはいえ、今後も移民・難民の犯罪は一定程度は起きるでしょう。既に入国した移民・難民は引き続き欧州にとどまりますし、一般論として彼らが経済的に恵まれないのは事実です。

     移民・難民の多い地区に近付かないのはもちろんのこと、人気(ひとけ)のない場所は避ける夜間の外出では積極的にタクシーを使う等の自衛手段を徹底して、自分の身は自分で守るという意識を持って頂きたいと思います。



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    2016年1月8日金曜日

    大晦日のケルンで多くの女性が暴行を受ける事件が発生。ヨーロッパでの年越しは危ないのか?

     ドイツ・ケルンの中央駅前で12月31日の夜、複数の女性が男の集団から性的暴行や金品を奪われる被害を受けたとの報道がありました。
     日本の新聞・テレビでの報道での扱いはかなり小さいものですが非常にショッキングかつ重大な事案であり、ヨーロッパ旅行そのものを心配される方もいらっしゃるかもしれません。

     私も何度かヨーロッパで年明けを迎えたことがありますので、その経験から今回の事案を考えてみたいと思います。


    <事案の概要>

     報道された内容をまとめると事案の概要は以下のとおりです。(今後変更になる可能性あり)

    • 12月31日から1月1日にかけ、ケルン中央駅とその周辺の広場で、女性が男の集団から「財布を奪われる」「侮辱を受ける」「体に触れられる」「服をはぎ取られる」といった暴行を受けた。
    • 被害女性の証言によれば、犯人は中東・北アフリカ系の男たちで合計すると1000人以上に上る。
    • 被害を受けた女性は5日午前の段階で90人に上る。その4分の1が性的被害を受け、1名は強姦されたという。
    • 被害者の3/4はケルン在住者ではなかった
    • ケルンだけでなく、シュトゥットガルト、ハンブルクでも同様の行為があった。
    • この他、男たちは花火を人々に対して打ち込むなどの行為も行っていた。

     ドイツでは、これらの犯罪が難民の受入によるものだとの議論も起こっており、メルケル首相の難民の積極受入れ政策の継続性にも注目が集まっています。


    <ヨーロッパの年越しは激しい>

     ドイツ警察がコメントしていますが、このような行為は従来は起こっていなかったものであり、今回の事案だけをもって大晦日のケルンが危ない場所」とは直ちには言えないでしょう。

     ただ、何度かヨーロッパで年を越した経験からすれば、ヨーロッパの年越しはかなり過激です。

     数年前にフランスのある地方都市で年を越したときは、主要な通りで夜中まで爆竹が頻繁に鳴らされており、また、部屋の中でミラーボールを回転させながら窓も全開に大音量で音楽をかける家もありました。うるさくて寝られたものではありません。

     一昨年にイタリア・ナポリで年を越した際も、街中で打ち上げ花火を打ち上げる爆竹を鳴らすということが街の至る所で見られ、それが年が明けるまで、ずっと続きました。特に爆竹の音はものすごく、「ホテルの躯体に影響が出るんじゃないか?」という轟音も何度かありました。
     これは、旅行記でもお伝えしているところです。

    街中でゲリラ的に打ち上げられる花火


     いつもは静かな街も、大晦日は羽目を外して良いという雰囲気が何となく漂っています。そして、昼から酔っている人も多く見かけました。
     正直なところ、私はこの雰囲気が嫌いですし、何が起きてもおかしくない危うさを感じていました。

     もちろん、全ての場所が危ないということはありませんし、昼と夜では雰囲気も全然違ってきます。街の雰囲気を敏感に察知して、危うい場所、人、雰囲気を避けるという基本的なことができていれば、避けられるリスクがほとんどでしょう。


    <自分の身は自分で守るしかない>

     大晦日は、人の心も緩みがちで、そこにアルコールが加わると、モラルが保たれないことも多くなると思います。
     現地の人と楽しく飲んで騒げるかもしれませんが、酔った相手に絡まれたり、暴行される可能性は高くなると言って良いでしょう。
     そして、我々日本人は外国人であり、いわれなき差別や被害を受ける可能性があることは十分認識しておくべきです。

     たった1度の嫌なことで、楽しい旅行の全てが台無しになる可能性があります。
     私は楽しめる可能性を追求するより、嫌な思いをするリスクを避けることにしており、大晦日は早めにホテルに帰ることにしています。

     自分の身は、自分で守るのが鉄則です。
     リスクはご自身でしっかり認識した上で、海外旅行を楽しんで頂ければと思います。



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